
塗装業の仕事がない3つの原因|仕事の受注するためにできる具体的な行動例も紹介

「塗装工事の案件がなくて困っている」
「仕事を受注するために何をすれば良いのだろう?」
塗装業を営む方の中には、案件確保に悩んでいるかもしれません。仕事がなくて苦労しているときこそ、まずは自社で何ができるのかを把握する必要があります。
この記事では、塗装業の仕事がない3つの原因、仕事を受注するためにできる具体的な行動例を紹介します。
塗装業の案件受注に悩んでいる方、売上向上や利益確保のために何ができるのかを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

「塗装業の仕事がない」と悩む事業者は多い
国土交通省の「令和6年度 住宅経済関連データ」では、新設住宅着工戸数の推移が公表されています。

引用:国土交通省|令和6年度 住宅経済関連データ<2>住宅建設の動向「1.新設住宅着工戸数の推移」(1)新設住宅着工戸数の推移(総戸数、持家系・借家系別)
新設住宅着工戸数の推移(平成16年から令和5年)から読み取れることは、以下の通りです。
年度 | 総戸数 |
---|---|
平成16年 | 119.3万戸 |
平成20年 | 103.9万戸 |
平成25年 | 98.7万戸 |
平成30年 | 95.3万戸 |
令和5年 | 80.0万戸 |
上表から、平成16年から令和5年にかけて、新設住宅の着工戸数が減少していることがわかります。
また、新設マンションの地域別着工戸数の推移も公表されています。国土交通省の令和6年度 住宅経済関連データによれば、新設マンション地域別着工戸数の推移(平成16年から令和5年)は以下の通りです。
年度 | 総戸数 |
---|---|
平成16年 | 20.7万戸 |
平成20年 | 16.5万戸 |
平成25年 | 12.4万戸 |
平成30年 | 12.0万戸 |
令和5年 | 10.0万戸 |
上表から、新設マンションの地域別着工戸数も減少していることがわかります。
新設住宅と新設マンションの着工戸数の減少により、新設の建築物における塗装工事も減少していると考えられるでしょう。
さらに、株式会社 東京商工リサーチは「職別工事業」の倒産件数を公表しています。2024年1月から11月における累計倒産件数は、前年度を上回る677件。
業種別で見ても、塗装工事業の倒産件数は増加傾向にあります。もっとも多い倒産原因は販売不振で、全体の70%を占める474件です。
販売不振とは、売上が減少し利益の確保ができない状態が続くことで、倒産のリスクも高まります。塗装業の仕事が確保できないと、利益が出ない状態が続くため、どのように塗装業の仕事を受注するかを考える必要があります。
参照:株式会社 東京商工リサーチ|「職別工事業」の倒産が増勢を強める 1‐11月累計677件、年間は11年ぶり700件超に

塗装業の仕事がない3つの原因

塗装業の仕事がない原因は、主に以下の3つです。
季節の影響により工事案件が減少する
塗装業は、梅雨や台風シーズンなど天候に左右されやすく、工事の中断や延期によって仕事が減少することがあります。
季節の影響を受けやすい塗装業は、一年を通して安定的に工事案件を受注することが難しくなります。
値下げ競争により利益の出ない案件を取らざるを得ない
値下げ競争が激しくなり、利益の出ない案件を取らざるを得ないことも、塗装業の仕事がない原因の一つです。競合他社が多いほど価格競争が生まれやすく、安価な価格でなければ仕事を受注できないこともあります。
塗装技術の高さよりも価格が優先されるため、値下げしなければならない状況になることもあるでしょう。適正な価格で仕事を受注できなければ利益を確保できず、事業の継続が困難になります。
自社の強みや施工実績が顧客へ伝わっていない
自社の塗装技術の強みや施工実績が顧客に伝わっていないことも、塗装業の仕事がない原因として考えられます。どんなに塗装技術が高く施工実績が豊富であっても、顧客に認知してもらわなければ仕事の受注につながりません。
競合他社にはない自社の強みは何か、どのような施工を経験してきたのかなど、塗装業の仕事を受注するためには、顧客に自社を知ってもらう取り組みが必須です。ホームページに施工実績を掲載したり、SNSで塗装技術を発信したりするのも、顧客に自社を知ってもらうための取り組みとして効果的です。
【具体的な行動】塗装業の仕事がないときにできること5選
塗装業の仕事がないときにできる具体的な行動を5つ紹介します。仕事の受注につなげるために、ぜひ実践してみてください。
より高い塗装技術を身につける
塗装業の仕事がないときは、より高い塗装技術を身につけるのも効果的です。
実務経験を積むことで、塗装の技術が向上することは間違いありません。ただ、技術向上につながる仕事が受注できるとは限らないため、時間が取れるときこそ技術を磨いてみてはいかがでしょうか。
塗装技術を高める具体的な行動として、塗装業に関連する資格取得を目指してみるのも良いでしょう。1級建築塗装作業技能士などの資格を取得すれば、CCUS(建設キャリアアップシステム)の能力評価基準 【建設塗装】で有利になります。
WebサイトやSNSなどで施工事例を発信する
塗装業の仕事がないときこそ、WebサイトやSNSなどで施工事例を発信してみましょう。
Webサイトに施工事例を掲載していない場合は、少しずつアップロードしていくのも良いでしょう。また、SNSは無料で運用できるものがほとんどなので、塗装技術や塗装に関する考えを発信するのもおすすめです。
WebサイトやSNS経由で塗装の仕事につながる可能性もあるので、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
新規案件を獲得するための営業ルートを増やす
塗装業の仕事がないとき、新規案件を獲得するための営業ルートを増やすのも有効です。営業ルートが少ないことが、塗装業の仕事がない原因となっている可能性もあります。既存顧客だけでなく、新規顧客の開拓に力を入れてみましょう。
また、集客の方法を増やすのも効果的です。紹介がメインの場合は、チラシ・ポスティング、テレアポなどを検討してみても良いでしょう。
既存顧客との継続的な関係からリピート受注につなげる
既存顧客との継続的な関係を大切にリピート受注につなげるのも、塗装業の仕事がないときにできることの一つです。
既存顧客は、実は塗装に関して悩んでいることもあります。顧客の悩みに寄り添った提案ができれば、塗装工事の受注につながることもあるでしょう。
また、前回の塗装工事から年数が経過していれば、メンテナンスの提案をしてみるのもおすすめです。
近隣エリアへの出張対応で受注のチャンスを広げる
塗装業の仕事がないときは、近隣エリアへの出張対応も検討してみましょう。
地域限定で塗装工事を受注している場合は、近隣エリアへの出張対応ができれば、受注のチャンスを広げられます。たとえば、自社から車で1時間以内のエリアのみを対応している場合は、1時間30分のエリアまで出張対応するなど、施工対象エリアの拡大をしてみてはいかがでしょうか。
特に、出張対応エリアに競合他社が少ない場合は、自社が塗装工事を受注できる可能性が高まり、中長期的な関係を築ける顧客の獲得につながります。

まとめ
この記事では、塗装業の仕事がない3つの原因と、仕事を受注するためにできる具体的な行動例も紹介しました。
すべての行動例を一気に実践することは難しいでしょう。しかし、できることから一つずつ実践することで、案件の受注につながる可能性は高まります。ぜひ、今後のアクションプランを立て、実践してみてください。
また、日本全国の塗装業の案件に直接アプローチできるマッチングサイトの活用も有効です。マッチングサイト『スケッタブル』を導入することで、塗装技術や施工実績など、自社の強みを活かして案件を探せます。
塗装業の案件を確保する手段として、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
