コラム
建築資材

建築資材が高騰しているのはなぜ?7つの理由と対策方法を解説

建築資材の高騰は、ウッドショックやアイアンショック、国際情勢など複数の要因が重なって発生しています。建設業に務める人にとっては、不安要素の1つといえるでしょう。

一方で、早期発注や工務店DXの推進、各種支援制度の活用することで、建築資材の影響を最小限に抑えることもできます。

本記事では、建築資材高騰の7つの理由や業界で実践されている具体的な対策方法を紹介します。建築資材高騰が引き起こす業界の変化についてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

案件・元請・協力業者が手軽に見つかるスケッタブル ご利用案内をみる

建築資材は高騰している

工事現場の様子の写真

2021年ごろから、原材料費の高騰や燃料費の高騰などを要因に、各種建設資材の高騰が続いています。

現在では、各建築資材のピークアウトをむかえ、小さな上限を繰り返している状態です。とはいえ、依然として価格の高い状況が続いているため、建築や不動産業界に大きな影響を及ぼしています。

また、セメントや生コンクリートといった一部の建築資材では、現在でも価格の高騰が続いています。約1年間で、セメントは約23.3%、生コンクリートは約10.4%もの価格上昇が見られました。

参照:最近の建設業を巡る状況について【報告】|国土交通省

建築資材が高騰する7つの理由

価格高騰のイメージ画像

建築資材の価格高騰は、国際情勢と国内の構造的問題が複合的に絡み合って発生しています。主な原因は以下のとおりです。

  • ウッドショックの発生
  • アイアンショックの影響
  • ロシア・ウクライナ戦争の長期化
  • コンテナ料金の高騰
  • 円安の進行
  • エネルギー価格の上昇
  • 人材不足

それぞれの要因について、詳しく解説します。

ウッドショックの発生

世界的な住宅需要の急増により、木材市場が急激な供給不足に陥っています。北米での住宅建設ブームや、世界各国の木材需要増加などが、国際市場の需給バランスを崩していることが大きな要因です。

日本の木材自給率は低く、輸入材への依存度が高いため、国際価格の変動の影響を受けやすい状態です。国内の林業生産体制の制約から、供給量の急増は困難な状況が続くと見られています。

アイアンショックの影響

アイアンショックとは、2021年以降に鉄の価格が急激に上昇している現象を指します。鉄はさまざまものの製造に使われる主要な資材の1つであり、建築業をはじめとした多くの業界の資材調達を圧迫している状況です。

アイアンショックの要因としては、新型コロナウイルスの蔓延によって鉄の需要が少なくなったことがあげられます。その後、2021年に新型コロナウイルスの影響が少なくなったタイミングで、一気に需要が高まり、需給のバランスが崩れたことで、価格の高騰が生じました。

アイアンショックにより、国内の鉄鋼メーカーは原料価格上昇により、製品価格の引き上げを余儀なくされているのが実態です。建設現場では、代替材料の検討や工法の見直しが進められています。

ロシア・ウクライナ戦争の長期化(ウクライナショック)

ロシアへの経済制裁により、建材の国際供給網が大きく混乱していることも、建築資材高騰の大きな要因です。特にロシアから輸出される木材と石油が制限されたことで、建材製造コストを押し上げています

木材は建材として重要な役割を果たす資材です。先述の通り木材自給率の低い日本は、外国産の木材に頼らざるを得ない状況もあり、ロシアからの流入が見込めないことは大きな痛手となります。

また、石油や石炭、LNG(液果天然ガス)の産出地であるロシアは、エネルギー価格の高騰にも影響を与えています。建設現場で使用するエネルギーの価格が高騰することで、全体的な工費が高くなることがデメリットです。

コンテナ料金の高騰

世界的な物流の混乱により、海上輸送コストが急激に上昇している状態です。コンテナ不足と港湾の混雑により、物流コストが増加したことも建築資材高騰の原因といえるでしょう。

物流コストの上昇は、建材の最終価格にも影響します。国内輸送網の人手不足と燃料費上昇が、配送コストの上昇に繋がっているのです。

また、建材の輸送スケジュールに大幅な遅延が発生しています。想定外の工期をかけないためにも、確実な資材の確保が欠かせません。

円安の進行

円安の進行により、輸入建材のコストが上昇したことも、建築資材が高騰した大きな要因です。日米金利差の拡大が、為替レートの変動を通じて建材価格に直接影響を与えています

結果として、国内建材メーカーは原材料の輸入コスト増加に直面し、価格転嫁の必要性が高まっている状況です。

エネルギー価格の上昇

電力料金と燃料費の上昇により、建材の製造コストが増加しています。原油価格の高騰は、建材の製造から輸送まで幅広い段階でコストを押し上げています

製造業者は省エネ設備への投資を進めていますが、短期的なコスト削減は困難な状態です。エネルギーコストの上昇は、建材価格の構造的な上昇要因となっています。

人材不足

建設業と関連する業界の人手不足も、資材の物価高騰を加速させる要因です。例えば、建築資材を輸送するドライバー不足は、建築資材の価格に大きく影響します。

建築資材の製造や運搬にかかわるコストが高くなれば、建築資材の購入価格にも影響を与えます。とくに少子高齢化を迎える日本国内では、より顕著に見られるかもしれません。

スケッタブルは、元請けや協力会社探しにぴったりな建設・建築業界専門のマッチングサービスです。

工事種別の他、従業員数、保有資格なども指定してマッチング先を探せるので、お探しの条件にピッタリな業者や案件を見つけられます。

案件・元請・協力業者が手軽に見つかるスケッタブル ご利用案内をみる

建築資材高騰が引き起こす業界の変化

建築資材の高騰による顕著な変化は、デジタル技術の活用や新工法の採用などです。発注方法や工期管理の最適化を図るために、代替材料の検討や施工方法を見直す動きがみられます。コストを適切に管理することで、全体的な工費を削減することが目的です。

また、建築資材の価格高騰は世界的な社会情勢や各国の経済対策などの要因が絡み合っているため、2025年以降も継続する見込みです。国際情勢が複雑に関係しているため、短期間での解決は困難な状況となっています。

建築資材高騰に向けた3つの対策法

木材の画像

建設業界では、資材高騰に対する対策が実施されています。具体的な対策法は以下のとおりです。

  • 早期発注と調達ルートの多様化
  • 工務店DXの推進
  • 補助金制度・税制優遇を活用

詳しく解説します。

早期発注と調達ルートの多様化

建築資材の高騰に対応するためには、早めに発注を行うことが効果的です。建築資材の高騰の要因の1つは、需要が多くなったことによる、供給不足があげられます。そのため、早めに資材を確保し、工期通りに進められるようにしましょう。

価格変動リスクを抑制するため、建材の早期発注と発注先の分散化を進めることも大切です。複数の調達ルートを確保することで、供給安定性の向上が図れます。

工務店DXの推進

デジタル技術の活用により、発注管理や在庫管理の効率化が進んでいます。

例えば、クラウドシステムを導入すれば、リアルタイムの情報共有が可能となり、在庫の過多を防げます。また、BIM(Building Information Modeling)の活用により、資材使用量の最適化が図れます。

業務効率化の取り組みにより、間接コストの削減が進められています

補助金制度・税制優遇を活用

政府の支援制度を活用し、建設コストの負担軽減が図られています。省エネ住宅への補助金や、設備投資への税制優遇措置が整備されているのが現状です。

申請手続きの簡素化により、支援制度の利用しやすさが向上しています。地域ごとの支援制度を組み合わせることで、より効果的な活用が可能となっています。

まとめ

建築資材の価格高騰は、国際情勢や経済状況が複雑に絡み合い、2025年以降も継続する見込みです。建設業界では様々な対策が実施され、デジタル技術の活用や新工法の採用により、コスト上昇への対応が進められています。

このような状況下で、建築資材の調達方法も大きく変化しています。特に、信頼できる取引先の確保と安定的な調達ルートの確立が必要です。

もし建設業の取引先選びにお困りであれば、建設業界に特化した人材マッチングサービス「スケッタブル」をご活用ください。「スケッタブル」では案件とユーザーの両面からマッチングが可能で、中間マージンなしでの取引が実現できます。

安心・安全な取引環境で、建築資材の調達における課題解決をサポートいたします。現在は月額利用料無料でサービスを提供していますので、ぜひスケッタブルの利用をご検討ください。

会員制・仲介制で安心。
施工業者を結ぶ
マッチングサービス

スケッタブル
スケッタブル

ご利用案内

ご利用の流れやスケッタブルを利用するメリット、マッチング方法についてご紹介しています。

新規会員登録

新規会員登録後、運営会社による審査が終わるとスケッタブルをご利用いただけます。

お問い合わせ

ご不明点がございましたらお気軽に事務局までお問い合わせください。